6(とうとう自律神経失調症に)
選挙って疲れますよねえ。
候補者もだけど、選対も、支部のメンバーも、本当に、本当にご苦労様と言って欲しいですよねえ。候補者としては
最低1年くらい候補者活動に専念しなければなりませんから大変です。わたしもこの落選時は本当に疲れきってしまい
ました。 百日紅 つかれし夕べ むらさきに
俳人の橋本多佳子氏は中国原産のミソハギ科の落葉高木、淡い褐色の木肌がなめらかなこぶの多いあの木のこと
を夕暮れの自分の気持ちとあわせてこう詠みました。
花には紅だけではなく白や淡い紫もあります。
ここでのむらさきは夕暮れのむらさきに違いないと思いますが、百日紅のむらさきと解してもかまわないと思います。
わたしは百日紅の音に惹かれました。というのもわたしはサル年なのです。サルスベリはわたしの落選にぴったりじゃない
ですか。サルがすべって、疲れ果て、ぼんやりたたずんで夕暮れのむらさきのなかにいるのです。
しかし、そんな思いにゆっくりと浸る時間はありませんでした。時は非情にもわたしを休ませてはくれません。わたしは多
忙な日常にひきもどされました。それでも、「真面目にがんばって、ほんの些細なことで謝罪させられ、ルールを守って、そ
して力及ばず落選した。それなのに、わたしは非難された」と、ふとしては思ってしまうのです。
心の傷が癒えないのです。心の傷って他人にはなかなかわかりにくいですね。
「現職優先の布陣のなかでわたし以外の他の候補者は全員当選したのだ。なぜ落選したわたしだけが悪く言われなけ
ればならないのか。しかも、区域まで変更されて」この異常な事件はわたしを無性に悲しくさせました。忘れる以外に方
法はありません。党大会決定で納得できたのに、疲れるとまたしてもこんな感じにとらわれてしまいます。
そして、こんな自分に嫌気がさしてきます。とうとうわたしは医師から“自律神経失調症”という病名をいただきました。
しかし休むことはできません。仕事は次から次へとやってきます。仕事は仕事としてこなしながら、わたしは歯を食いしば
り、後援者の方々にわたしの非力を詫びて廻りました。
“落選はわたしの力不足でした。申しわけありません。次は、よろしくお願いします” と。
つづく