川畠成道 |
※アップし忘れてた11月分と12月分も同時に更新してますので、合わせてご笑覧くださいませ。
川畠成道 | 2001.05.19 |
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ここ3ヶ月ほど、ヴァイオリニストの川畠成道がマイブームです。 昨年か1昨年に大ブレークしたらしいのですが、情報に疎い私は全く知りませんでした。2月のフルリ演奏会(報告書くはずだったのに....(T-T))の後に、次回演奏会の候補曲のCDを買おうとCD屋に行ったところ、欲しいものがなく、手ぶらで帰るのもなんだと思って選んだのが、川畠成道の2枚目のCD「アヴェ・マリア」でした。 視聴版で1曲目のタルティーニ「悪魔のトリル」を聞いて、彼の演奏に惚れ込んだんですよ。しっかりとした構成、芯のある太い音質、抑制の中にも華やかさを感じさせる音色、確かな技術。これはいい!と思い、CDを買いました。このCD、絶対にお買い得です。聞いていてちっとも飽きません(この3ヶ月、車の中で永久ループで聞いています)。「悪魔のトリル」は毎回新鮮ですし、6曲目の「夏の名残のバラ(「庭の千草」変奏曲)」がこれまた超絶技巧の嵐ですごいの!毎回、「はぁぁ〜、うまい〜〜〜!!」と感嘆しています。最終曲のグノー「アヴェ・マリア」も地味ながら胸を打つ演奏です。ほーんと、いいCDです。超オススメです。 CD評では、彼の「アヴェ・マリア」の演奏は「こんなにも神聖なアヴェ・マリアが今までにあっただろうか!」と絶賛されていますが、私にはそこまで絶賛する価値があるのかどうかは疑問です。いい演奏なのは確かですが。所詮私は日本人。キリスト教徒が何を「神聖」と感じるのか、一生理解できないのでしょう。 昨晩(5/18深夜)、NHKで彼のロサンゼルス公演の特集番組を再放送していました。彼は8歳の時訪問したロスで重病に罹り、命は助かったものの視力障害が残ったそうです。その後、Violinの勉強を続け、英国王立音楽院を主席で卒業し、現在に至るわけで、特集番組は彼の20年ぶりの運命の土地訪問を題材に構成された非常に感動的な番組でした。で、特集番組の内容はさておき、彼の演奏姿を目にして驚いたのが、「意外と淡々と弾くんだなぁ」ってことです。彼の演奏姿は非常に優等生的で、右手も左手もお手本のようにキレイなポジションでした。運弓も意外とあっさりと早く、弓先に若干のニュアンスが感じられるものの、全体としては、彼の演奏スタイルからは、演奏している曲への感情の起伏がほとんど伝わってこない、というイメージでした。でも、その彼が生み出す音楽は実にすばらしく....。オーバーアクションしなくても感情表現できる、高度なテクの持ち主、ということなのかなぁ?番組では彼の演奏姿をちょっとしか見せてくれなかったので、よくわかりません。是非、生で彼の演奏を味わいたいです。 |