台湾沖航空戦
T攻撃部隊 陸海軍雷撃隊の死闘(キー67)
光人社より発売中!(全国書店にて御求め下さい)

著作・版権    飛行第61戦隊戦友会 神野正美/木内里美

上のキー67の写真、実はプラモデルなのです。実機と見紛うばかりの素晴らしい出来栄えに驚きました。
製作されたのは、飛行第61戦隊戦友会の方です。

尾翼の戦隊標識は61を図案化したもので、白色は第1中隊を示し、第2中隊は黄色第3中隊は赤色でした。
上面と下面の塗装は、従来の定説を覆しグレイのツートンになっています。
モデルアートや丸メカニックにあるような、茶褐色塗装は無かったことになります。
要は、当時の写真を現在の視点で見ていた事が誤りだったのではないでしょうか。

この事実は、神野正美さん/木内里美さんが調査し、
61戦隊戦友会から提供していただいた再現プラモデル写真を、飛行第98戦隊の慰霊祭で見てもらった結果、
98戦隊搭乗員の方達も、あの色調に賛同しています。

この事だけでも驚きですが、LSのプラモデルにもある海軍雷撃機『靖国』。
陸軍機『飛龍』とは別機種だと思っていましたが・・・?
写真のキー67が所属していたT攻撃部隊とは・・・?
従来はヒロポン(覚醒剤)と伝えられてきた暗視ホルモン剤の正体?
太刀洗基地・鹿屋基地での学徒勤労動員(朝倉高女・鹿屋高女)。
他にも、一式陸攻24型・キー67(雷撃)のタキ1索敵電探を搭載した三面図
攻撃708飛行隊の編成表(分かる限りの機番号)、再現された98戦隊の編成表などなど・・・。
この様な内容も含め、台湾沖航空戦の実相が書かれた本が発売されたのです。
登場する機体は、一式陸攻・キー67・天山艦攻です。
次の一文は、『台湾沖航空戦 T攻撃部隊 陸海軍雷撃隊の死闘』の序章です。

序章

平成十五年(二〇〇三年)八月十九日、私と米資料の翻訳や資料整理、
取材などをアシストしてくれる木内里美さんは、古都・鎌倉に近いJRの駅に降り立った。
この年は、北のオホーツク海高気圧が強い、異常ともいえる寒い夏であった。
この日も海辺にサーファーの姿はなく、木内さんが身に着けた、
黒色のサマーカーディガンと同色のスリムパンツも、違和感が無いほどに盛夏にはほど遠く、
南岸に停滞する前線の影響で、まるで秋霖のような細かい雨が歩道をぬらしていた。

私たちはこの日、長井せつさんにお会いすることになっていた。
長井さんは、昭和十九年秋の「台湾沖航空戦」に、
T攻撃部隊(T部隊)と称された海軍第七六二航空隊攻撃第七〇八飛行隊の
飛行隊長として出撃した長井彊大尉(海兵六十四期)の奥様である。

まずは、序章のみの掲載ですが、現在好評発売中ですので、
光人社 神野正美/木内里美・著 『台湾沖航空戦-T攻撃部隊 陸海軍雷撃隊の死闘』
書店にて御購入下さい。


神野正美/木内里美・著作を最初に読んだのは、光人社『梓特別攻撃隊』でした。
『梓特別攻撃隊』とは高速爆撃機『銀河』24機で編成された特攻隊の編成名です。
この『梓特別攻撃隊』も名前は知られていますが、この本以外には資料・記述が少なく、
記載されていても数ページで、ここまで行動・装備・戦果を書かれた本は在りません。

米空母泊地ウルシーまで約3000km。
目標の無い洋上での長距離航法は、かなり難しいのではないでしょうか。
日本側の資料・取材は勿論、米側資料も在り、資料の膨大さには驚きます(巻末に記載在り)。
資料も、関係者しか入手出来ない物が多く、本書の正確さが伺えました。
まずは、本屋さんで巻末を見てください。(編成表・行動図・ウルシー環礁拡大図・銀河3面図)
内容も、日米資料を照らし合わせた記述には迫真力があり、時間軸を記載しているので、
読み手自身が搭乗員になった気持ちにさせられました。
飛行機ファンなら、『梓特別攻撃隊』。是非、読んでみて欲しい1冊です。
読んだ後でのプラモデルの製作。きっと、他とは違う自分の『銀河』が出来上がると思います。

「梓特別攻撃隊」 爆撃機「銀河」三千キロの航跡
著者:神野正美  アメリカ資料訳:木内里美
光人社NF文庫 ISBN:978-4-7698-2545-6
定価:840円 発行年月日:2007年8月24日
写真をクリックすると、詳しい情報が見れます。


という事で、今回発売されている『台湾沖航空戦-T攻撃部隊 陸海軍雷撃隊の死闘』も、応援をしています。
大誤報のみ有名な台湾沖航空戦。私を含め、知りたい方は多いのではないでしょうか。
私も書店にて購入して読みましたが、知らなかった事が多くて興味深い内容でした。
下は、本書を読んでから私が製作した「飛龍」(キ-67)の全景写真です。
『飛龍』 『靖国』 『キ109』 の比較用ページを用意しました。下記、写真をクリックして下さい。



詳しくは、書店以外でも光人社 新刊情報にて確認・注文できます。