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五嶋みどり |  プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番 |  別府アルゲリッチ音楽祭♪

五嶋みどり 2002.05.29

五嶋みどりのコンサートに行ってきました〜。素晴らしかった〜(*^o^*) 心はまだ宙を彷徨っております♪

何を隠そう、アルゲリッチ音楽祭以前は、五嶋みどりの「カーネギーホール・リサイタル」のCDにハマっていた私。彼女が完璧なテクニックの持ち主であることはわかっていたけれど、初めて生で演奏を見て&聞いて、全身全霊を打ち込んだ演奏の素晴らしさに、言葉がありません。カーネギーホールでの19歳当時の録音はとても19歳とは思えない円熟の演奏で感動モノですが、30歳となった彼女の演奏は一段と深みを増しており、その音楽性に引き込まれてしまいました。同じシュトラウスのソナタを生演奏とCDとで聞き比べることができたので、感動もひとしおです。聴きに行ってよかった〜、としみじみしています。

さて、今日のプログラムです。

作曲者曲名
リスト(オイストラフ編)(シューベルトのピアノ曲より編曲)「ウィーンの夜会」S.427より
ベートーヴェンVnソナタ第10番ト長調op.96
シマノフスキ(コハンスキ編)クルピエ地方の歌全12曲より第9曲「いななけ、仔馬よ」
R.シュトラウスVnソナタ変ホ長調op.18

見ての通り、とってもとっても玄人受けのする内容でした。裏返すと、素人はチラとも聞いたことないだろう、っていう曲ばっかりです(^^; おかげで、ソナタは2曲とも1楽章で拍手が入りました。いや、拍手していけないってことはないんですが、つい熱狂して、って感じの拍手ではなかったし、演奏者の気持ちが一旦途切れるよなぁ。←アルゲリッチ音楽祭では、曲目のチラシに各曲の所要時間が書かれていたんですが、それって知らない曲を聞く時にはすごくいい指針だよなぁ、いいアイデアだなぁ、と改めて思ったり。

会場の岡山シンフォニーホールは、最近流行りのオペラ座風円形劇場なので、座席によって音響のバラツキが激しいという難点があります。前半は1階左側後ろ寄りの袖席で聞いてたんだけど、最前列だというのに庇(2階席)が覆い被さってるせいで、Vnとピアノのバランスが悪かった=Vnの響きが弱い、というかピアノばっかり響く。おかげで、周囲で咳や物音(これがまた、マナーの悪い客が悪いんだ!)がする都度、集中力が途切れ、すごく残念でした。後半は、音響のいい席を求めて、2階左側袖席の真中から少し前あたりに移動。ちょうど庇(3階席)が切れていて、ホール中央から上手く音が降ってくるような位置を選んだら、大正解でした!Vnの響きが全然違います!おかげで、後半は集中して聞くことができました。シュトラウスのソナタは最高の出来でしたが、前半のベートーヴェンもあの席で聞いてたら、もっと感激したんだろうなぁ。ほーんと残念。

終演後は、ロビーでサイン会(ビッグネームなのに!)。おしくら饅頭状態の中、サインと握手をしていただき、大感激! 実物のみどりちゃんは、小柄でにこやかで可愛かったです(^^) 同行の友人たぬ子がデジカメで写真撮ってたので、送ってもらうのが楽しみ〜♪

ということで、感動の一夜でした(誘ってくれて&チケット確保してくれてありがとう!>たぬ子。いつの日か、五嶋みどりの「クロイツェル・ソナタ」が聞きたいよぅ!←CD探したけど、出てないんですよねぇ。
 そうそう、五嶋みどりにも一つだけ不満が。彼女のビブラートは私の趣味に合わないのです。音色も音楽も非常に魅惑的で私のツボにぴったりハマるんだけど、ビブラートだけは時々違和感があるの。どうも、細かいビブラートは苦手みたいですσ(^_^; あと、も少し音量があればなぁ...>みどり


プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番 2002.05.21

音楽祭土産に買ってきた、第一回別府アルゲリッチ音楽祭ライブCD。この中の「プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番」(もちろんアルゲリッチ演奏。彼女の十八番だとか)に、音楽祭からずーっとハマってます。どの楽章も、とびきり派手で華やかで、焦燥感を煽るような曲調から終盤の大団円的解決に向かって、いやがおうにも盛り上がる、超絶にかっこいい曲です!聞きながら「ああっ、ここ、かっこいい〜!」と叫んでしまうようなメロディや変拍子(?変速度?)やほどよい不協和音が随所にあり、私のツボを直撃してくれます。おかげで、CD聞いてない時でも頭の中ではピアノ(とオケ)が鳴り響いております。

昔(Googleったら、1980年の米映画でした)、「コンペティション」という映画を見ました。国際ピアノコンクールに参加した男女が主人公で、ライバル同士の二人がコンクール期間中に恋愛関係におちいり、ライバル意識と恋愛感情の錯綜する複雑なドラマがコンクールの進行とリンクして展開されるという粗筋で、ドラマと演奏とが互いに盛り上げあって、非常に見応えのある映画でした。このコンクールの本選で最終演奏者のヒロインが一発逆転を狙って弾くのが、プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番なのです。のるかそるかの博打的要素をもつ難曲へのチャレンジに、既にベートーベンの皇帝(二人の選曲の対比がまたイイ!)を演奏し終わったヒーローが、彼女に成功して欲しいが成功されると自分が負ける、という複雑な心境で見守る中、ヒロインの演奏は進み、曲想とあいまって、いやがおうにもドラマは盛り上がる!

....映画の結末はここでは割愛します(というか勝敗は覚えてるけど恋愛の結末は忘れた)。

映画「コンペティション」で初めてこの曲を知った時、「この世にこんなかっこいい曲があるのか!」と感動したことは今でも忘れられません。あの時、いつかこの曲のCD(当時はレコードでしたが)を買おうと心に誓ったはずなのに、音楽の趣味が年々弦楽器偏重になっていき、いつしかすっかり忘れ去っていたのでした。あれから20年たって、思わぬところでこの曲とめぐり合い、感激を新たにしています。もちろん、20年も前のことですから、映画の中で聞いたメロディがどんなメロディだったかは全く記憶にありません。もう一度、映画を見たいなぁ。と、久々にレンタルビデオ屋に行こうかと考えてます。


別府アルゲリッチ音楽祭♪ 2002.05.12

念願かなって、別府アルゲリッチ音楽祭に行ってきました〜♪ 残念ながら、今年はギトリスは来なかったけど、アルゲリッチと美少年(といっても25歳)Tp奏者セルゲイ・ナカリャコフを生で聞けたので、大満足です♪来年はもっと早く予約しなくっちゃ。

☆    ☆    ☆    ☆    ☆

4/26(金)19:00〜21:00:チェンバーオーケストラ演奏会(大分県立総合文化センター・グランシアタ)
指揮・Vn:ドミトリー・シトコヴェツキー
管弦楽:東京藝術大学別府アルゲリッチ音楽祭特別オーケストラ
曲目ソロ奏者
バッハ(シトコヴェツキー編)/前奏曲ロ短調
モーツァルト/ディベルティメント変ロ長調K.137
ショスタコーヴィッチ/ピアノ協奏曲第1番ハ短調作品35Pf:アルゲリッチ、Tp:ナカリャコフ
ペルト/フラトレスVn:シトコヴェツキー
タルティーニ(クライスラー編)/ソナタ第4番ト短調「悪魔のトリル」Vn:シトコヴェツキー
  • ショスタコが衝撃的でした!初めて聞いたけど、すごくおもしろかった!後半2曲もよかったし、大満足です♪
  • プログラム構成は、なんとも「謎」です。なぜモーツァルトの次にショスタコを持ってくる?というか、ショスタコの前になぜバッハ&モーツァルト?(^^; バッハ→モーツァルト→タルティーニ→(休憩)→ペルト→ショスタコ、とかの方がスムーズな気が。ピアノの移動も楽なのになぁ。
  • よく響く会場みたいなんだけど、席が悪すぎた。2階の右端のほぼ一番後ろ。3階フロアがまんま屋根になってて、ここまで音が届かな〜い(T_T) 響いている気配はわかるのよ。だから、余計に悔しい!アルゲリッチのピアノはバリバリ弾いてるから問題ないけど、シトコヴェツキーの音色は最初から最後まで「ああ、もう少し響きが届いてくれれば!」って感じで、ストレス溜まりました。フラトレスも悪魔のトリルも、よかっただけに悔しさひとしおです。くすん。

☆    ☆    ☆    ☆    ☆

4/27(土)16:00〜21:30:室内楽マラソンコンサート(別府ビーコンプラザ・フィルハーモニアホール)
曲目ソロ奏者
クライスラー/愛の悲しみ,美しきロスマリン
グラナドス/スペイン舞曲
クライスラー/中国の太鼓
Vn:ゲザ・ホッス、Pf:酒井茜
ドヴォルザーク/弦楽4重奏曲第12番ヘ長調「アメリカ」op.96カルテット:ヴィ・ザ・ヴィ
ヤナーチェク/VnソナタVn:清水高師、Pf:ミラベラ・ディナ
〜小休憩(20分)〜
プロコフィエフ/2つのVnのためのソナタ ハ長調作品56Vn:ドミトリー・シトコヴェツキー、清水高師
シューマン/幻想小曲集作品73 (フリューゲンホルン)
プーランク/愛の道 (フリューゲンホルン)
プーランク/エッフェル塔ポルカ (トランペット)
Tp:セルゲイ・ナカリャコフ、Pf:ミラベラ・ディナ
〜大休憩(60分)〜
ドヴォルザーク/ピアノ5重奏曲イ長調op.81Pf:カリン・メルレ、カルテット:ヴィ・ザ・ヴィ
〜小休憩(15分)〜
モーツァルト/ピアノ連弾ソナタ ハ長調Pf:カリン・メルレ、マルタ・アルゲリッチ
プロコフィエフ/Vnソナタ第2番ニ長調作品94Vn:ドミトリー・シトコヴェツキー、Pf:マルタ・アルゲリッチ
  • ナカリャコフくん、想像を絶する上手さでした。文字通り、どうやって吹いてるんだか想像できないんだよぉ〜!聞いた話ですが、彼は循環呼吸法を身に付けているので、エンドレスで吹き続けることができるらしい。でも、私が驚いたのは息の長さではなく、ロングトーンとタンギングを同時に吹いてる事です!用語が正しいかどうかわかりませんが、要するに、四分音符と十六分音符を同時に吹いてるんですぅ〜(^^; そんなの人間技じゃないよぅ(T_T)←自分の耳を疑いました。
    #会場中の女子高校生がキャアキャア黄色い声を上げて騒いでましたが、君ら、ちゃんと彼のテクニックをわかって聞いてるんかい!?とオバサンは言いたいぞ!(私もキャアキャア言ってたのは内緒だ)
  • ゲザ・ホッス(18歳)は超早弾き。余りのスピードに伴奏者がついていけずもたついてた。ちゃんとリハーサルしたのー?伴奏者変えたほうがいいよ。
  • 清水高師、上手かった!シトコヴェツキーもよかった!彼らの演奏は皆よかったけど、特にVn2本のソナタが、バランスよくて聞き惚れました。
  • アルゲリッチはさすがにすごい!超パワフルでした。モーツァルトがモーツァルトに聞こえません(^^;
  • 途中に食休が入るとはいえ、5時間を越える演奏会は、さすがにハードでした(^^; なので、ドヴォルザーク2曲とも寝ちゃった(^^ゞ (だって「アメリカ」嫌いなんだもん。アレは演奏して楽しい曲とは思うけど、聴いて楽しい曲とは思えないのよねぇ)
  • ビーコンプラザは新しくて大きくてきれいでした。コンサートホールも、グランシアタに比べると響きはずっとよかったよ(演奏規模に見合った会場サイズ、なのも大きな理由でしょうね)。向かいのホールでプロレス興行やってたのはご愛嬌(笑)

なお、ナカリャコフくんの美少年っぷりを知りたい方は、検索サイトで「セルゲイ・ナカリャコフ」で検索してみてね〜(^^)


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