今月読んだ本 | 「オケ老人!」荒木源 | 「間取りの手帖remix」佐藤和歌子 | 「大正時代の身の上相談」カタログハウス編 | 高田郁「花散らしの雨 みをつくし料理帖」 | C.C.ベニスン「サンドリンガム館の死体」 |
今月読んだ本 | 2012.01.31 |
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「オケ老人!」荒木源 | 2012.01.25 |
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友達に「アマオケを扱った面白い小説がある」と教えてもらったその日の内にアマゾンで注文し、届いた日に一気読みしました。 とても面白かった! 音楽は、まず演奏している自分達が楽しまなくては、という日頃のポリシーを後押ししてもらいました。 物語は、梅が岡フィルハーモニーと間違えて梅が岡交響楽団に入団した主人公を中心としたドタバタ話…だけかと思ったら、そこにロシアの秘密工作エージェントが絡み、ドキドキハラハラしながらも大団円を迎えます。 省略しすぎですけど、これ以上書くとネタバラシになっちゃうのでご勘弁を。 技術は無いが音楽をする喜びと人間づきあいがある梅響と、技術は高いが人情味が無い梅フィルとの対立は極端とはいえ現実にもありそうなことで、ハラハラさせられます。もちろん私の贔屓は梅響です。というか、ここまで極端な書き方されると、梅フィルに肩入れする人はいないんじゃないの?(いらっしゃったらゴメンナサイ) 実際に自分が入団するとしたら、ここまで技術レベル差が極端だと梅フィルに多分にグラつくと思う。一番下手な人を降り番にすることで団員間の緊張感を保とうという梅フィルのやり方がイヤでも、自分で改革することはできないから、隅っこの方で一番ビリにならないように最低限の努力をするんだろうなぁ。いじめには加わりたくないけど、ブービーな平井さんの気持ちはわかる。 さて、私の一番のお気に入りキャラは、トランペットのラバウルさん。 酸素吸入器をつける身でありながらトランペットを吹く。しかもキャリアは60年以上。 そんなご老人は実際にはおられないだろうけど、アマオケ奏者の心意気として、老いた私もそうありたいものです。 ※「オケ老人!」の感想の続きを***音楽あれこれ***に3編掲載しています。 |
「間取りの手帖remix」佐藤和歌子 | 2012.01.19 |
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これも暇つぶし系の本です。読書というよりも「眺書」。 著者が集めた変わった間取りが、1頁に1つづつ掲載されています。 広さは様々。狭小な部屋もあれば広すぎる部屋もある。 窓が無い部屋もあれば窓がありすぎる部屋もある。 四角い部屋、丸い部屋、変形多角形の部屋、色んな形の部屋がある。 どうしてこんな形なんだろう? どうしてこんな間取りなんだろう? こんな間取りでの生活ってどんななんだろう? などなど、想像をめぐらせながら面白おかしく眺めています。
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「大正時代の身の上相談」カタログハウス編 | 2012.01.17 |
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その名の通り、大正時代の新聞に実際に掲載された悩み事相談集です。 全部で129件の相談事と回答が載っています。 大正、という時代がまたいいのですね。 大正時代ならではのレトロな悩み事もあれば、時代を先取りした悩み事、時代を問わない普遍的な悩み事もある。深刻な悩み事もあれば、笑っちゃうような瑣末な悩み事(本人は真剣)もある。 相談者の人生に思いを馳せながら読んでいます。 読んでいます、というのは、何度も読み返しているから。 1つの相談事が1〜3頁程度なので、ちょこちょこ飛ばし読みするのも都合がいい。 病院の待ち時間など、暇つぶしにはもってこいの本です。 |
高田郁「花散らしの雨 みをつくし料理帖」 | 2012.01.09 |
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みをつくし料理帖シリーズの第2作。お江戸は九段坂の料理人、澪が主人公の人情話です。 料理人が主人公なだけあって、話の途中に出てくる料理がどれも繊細でおいしそうです。 だがしかし! 料理を味わう描写は、池波正太郎先生がピカイチ!です。 シンプルな料理もさることながら、「…うまい」の独白が本当にうまそうで、食べたくなる。 池波先生の小説に出てくる料理は「うまい」であって「おいしい」ではない。 …すみません、話が逸れました(^^; この本は、間違えて同じものを2冊買ってしまった文庫本を父にあげたら、父が代わりにくれた本です。
なので、ちょっと私の趣味じゃない。
(ちなみに、父にあげたのは「御宿かわせみ」シリーズの内の1冊) |
C.C.ベニスン「サンドリンガム館の死体」 | 2012.01.04 |
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新年早々、きな臭いタイトルの本を読みました。フィクションの世界だったはずなのに、タイミングがいいのか悪いのか、このサンドリンガム館で実際に事件が起きた模様。 [ロンドン 3日 ロイター] 英エリザベス女王の静養先である東部サンドリンガム離宮の敷地内で1日午後、女性の遺体が見つかり、警察が殺人事件として捜査を開始した。 Yahooニュースでこの記事を見てビックリ!なんというタイミングでしょう。小説での被害者は女王の物まねをする女優でしたが、本物の事件ではまだ被害者の身元も判明していない様子。早期解決を願っています。 この本は、女王陛下がメイドのジェインを探偵役に、宮殿で起きた殺人事件の謎解きをする、というユニークなシリーズの内の1冊。去年、本の整理をしていて見つけ、久々に読み返しています。1作目から順に「バッキンガム宮殿」「サンドリンガム館」「ウィンザー城」が事件の舞台となっています。サンドリンガム館はロイヤルファミリーがクリスマス休暇を過ごす離宮。寒々とした郊外にあるようで、読んでいても寒さが伝わってきました。ロイヤルファミリーが招待客と雉猟をしていたり、メイドや下僕と女王の飼い犬とが攻防していたり、女王の趣味がクロスワードパズルやジグゾーパズルだったり、ミステリー以外にも日常描写が楽しめるシリーズです。 |