マレー沖海戦
(英新鋭戦艦轟沈)
この文章は、主に世界文化社『連合艦隊下巻・激闘編』を参考にしています。
比較検討と写真は、光人社NF文庫『写真太平洋戦争・第1巻』より参考・編集しました。
第二十二航空戦隊の飛行ラインは『激闘編』を基に作製しています。
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高度三千メートルより水平爆撃を受けている戦艦『レパルス』 |
さすがに自信を持って送り出しただけあり、英艦隊の対空砲火は凄まじいものでした。イギリスの艦艇は2年も前からヨーロッパ戦線でドイツ・イタリアの航空機に空襲されていたので、十分に対空戦の経験を積んでいたのです。とくに日本機を驚かせたのはヴィッカース社のポムポム砲(高射機関砲)でしょう。このポムポム砲で雷装陸攻は3機が撃墜され、損傷は28機におよびました。陸攻隊は左右から挟撃突入戦法を採用し、『レパルス』は爆弾1発、魚雷13本(英側資料では5発)を浴びて、午後2時3分に沈没(上図の赤旗@)しました。一方の新鋭戦艦『プリンス・オブ・ウェールズ』も爆弾2発、魚雷7本を受け、左に傾きつつ9ノットで依然、避退南下。英駆逐艦は隊列もすでになく、各個、避退と迎撃に追われていましたが、『エクスプレス』が『プリンス・オブ・ウェールズ』の乗員救助に近づきました。フィリップス大将に退艦を促しますが「ノー・サンキュー」と答え、艦と運命を共にするという英海軍の伝統に従って退艦を拒否。海軍創設以来、英海軍に範をとってきた日本海軍も、この後、殆どの将官が艦と共に消えていく事になります。 |
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