【METROPOLIS】

原作:手塚治虫
監督:りんたろう
脚本:大友克洋

ジグリット完成を祝賀する祭りのまっただ中。
大都会メトロポリスに、国際指名手配中の科学者ロートン博士を追って訪れたひげ親父と、けん一。
ロートン博士の潜伏する地下ゾーンのアジトを突き止めるも、そこはすでに何者かによって襲撃された後だった。
焼け落ちる建物のなか、けん一は一人の少女と出会う。
言葉も自らの名前も失っていた少女に戸惑いつつも明るく接するけん一。
そんな、けん一に徐々に懐いていく少女。
だが、少女は命を狙われていた、
なぜ、その理由も分からぬままの二人の逃走劇。
雪の日のクーデター。
少女が自分の正体を知ったとき、悲劇の扉は開いた。

一言で言うと、ロック。
貴方って……
いろんな意味で素敵すぎるよ。貴方。
その一:とってもおとうさん思いのロック
    (あげく、うざがられている)
その二:発砲大好きなロック
    (の割に、命中率低し)
その三:やっぱり、女装好きなのねロック
    (しかも、メイド服……)

てな、訳で、主役二人を喰って裏主役を張ってるロック様でした。
まあ、ロックがいないと、物語が進まないのですよ。
「お前達に、お父さんは渡さない」
いや、こういった複雑な内面抱えたキャラ演じさせたら一品ですね。ロック様は。

で、ロック。ロックって、騒いでいますが。やはり、ティマですよ。
ああ、好みだ。
自らの正体を知ったときの悲しみ。そして、暴走。
「 I CAN'T STOP LOVING YOU 」の甘く切ないメロディとともに進んでいくジグリットの崩壊シーンのカタルシス。
それまでの記憶人格全てをなくし、‘お父さん’のように懐いていたけん一を殺そうとするティマ。
そんな、彼女をあくまで助けようとするけん一。
無力で平凡であるがゆえ、けん一は、ティマを救える唯一の存在なのでしょう。
ラスト、ジグリットから落ちていくティマ、ティマの手を掴むけん一。
けん一の手をすり抜けていく、ティマの手。落下する刹那ティマ。

全てが崩壊した中から、もう一度前を向いて踏み出す、けん一の姿が印象的。

「おじさん、僕はもう少しこの町に居たいと思います」

「私は、誰」