【七つの封印】 著:カイ・マイヤー
          ポプラ社

最近、本屋さんで、雑誌コーナー、文庫コーナー、漫画コーナーに加えて、なんと、児童文学コーナーまで、物色するようになってしまった私。児童文学を読んでいる人間が純粋な人間ばかりではないと言うことを立証しようとしているのか?ある意味と〜っても純粋にあれなんですが。
まあ、前書きはこれくらいに。購買動機は至って単純。それは、挿し絵を描いているのが、山田章博さんだったから。

ドイツの歴史ある静かな片田舎ギーベルシュタインにおばさんと2人暮らしのキラ。平凡でのどかな町で、静かに事件の歯車は回り始める。
きっかけは、今はもう廃線となった線路脇で、とある夕刻、キラが空飛ぶ魚を目撃したことから始まる。
獰猛な空飛ぶ魚に、その魚の飼い主らしい絶世の美女。
話を聞いたカサンドラおばさんは、顔面蒼白。ぜったいに、関わり合いになるなと子供達に念押しをする。なぜなら、キラが目撃した女は世にも恐ろしい魔女だったから。(魔女の中には、猫を使役するかわりに、鰐皮ハンドバックのなかに魚を飼うタイプもいると言うこと)
もちろん、あらゆる約束は破るために存在しているので、キラ達は恐怖と好奇心のままに、首を突っ込む訳。

アバスクは敵役のくせに割とあっけないように思えたんですが、シリーズ物の第一作目としてのつかみはなかなか。
キラとその仲間達との今後の活躍は楽しみなところ。
「ドイツのスティーブン・キング」と評されるらしい作者ですが、私は、彼の作品はこれしか読んでないので分かりません。

人物描写は生き生きしていて、感情移入しやすいです。ちなみにキラって、男の子かと思っていたら女の子でした。(挿し絵が少年っぽいの)

「ずらかるんじゃないわ」
「戦略上の退却をするだけ。次の攻撃を強化するためにね」