【魔女と暮らせば】  著:ダイアナ ウィン ジョーンズ
               徳間書店

蒸気船の沈没事故で両親を一度に失ったキャットとグウェンドリン姉弟は天涯孤独の身の上となってしまう。それでも、キャットが平気なのは、大好きな姉グウェンドリンが居たからだ。強引で自惚れ屋で気の強い姉グウェンドリン。大魔法使いを目指すグウェンドリンとキャットは魔法使いクレストマンシーの城に引き取られる。
ところが、魔術の勉強が出来るとばかり思っていたグウェンドリンはクレストマンシーに魔法を禁止されて大憤慨。
怒れるグウェンドリンのパワーは止まることを知らず。ありとあらゆる魔法を用いて嫌がらせの嵐。そんなグウェンドリンもついには魔力をクレストマンシーに奪われて、

クレストマンシーの不当極まりない処遇にぶち切れたグウェンドリンはある日突然姿を消してしまう。代わりに現れたのは、姉グウェンドリンとうり二つの顔ながらまるで違う性格のジャネット。異世界から無理矢理つれてこられたと主張するジャネットの面倒を見なくてはいけなくなったキャットは、メイドのユーフィーミアをヒキガエルに変えたり、ユーファーミアの恋人に喧嘩を売られたり、竜の血の代価として20ポンドを請求されたり、踏んだり蹴ったり。
(その、すべてが姉グウェンドリンに原因があったり)やがて、キャットは姉グウェンドリンのとんでもない野望を知ることに。

とにかく、魔女グウェンドリンがとてつもなく魅力的、弟キャットが姉に振り回されながらも依存してしまうのも分かるぐらい。バイタリティ溢れかえってる女の子。ただし、その方向性が激しく間違っているにしろ。
ただひたすら自らの欲望のままに非道な振る舞いを繰り返すグウェンドリンがどこか憎めない。いっぺん痛い目にあって改心してくれれば良いんだけど。そんなのグウェンドリンじゃないのです。

「猫には9つ命がある」