【後宮小説】 著:酒見賢一
         新潮社文庫

第一回日本ファンタジー大賞受賞作品。「風のように、雲のように」の題名で、アニメ化もされています。

そのまことしやかな、大嘘(ファンタジー)に、騙される快感を味わって下さい。

一見、12国の珠晶に見えますが、(前に、描いたやつとまるで、構図が同じだから)銀正妃です。
でも、この二人、似ていると思いませんか。自らに与えられた責務を果たそうとする態度とか。でも、銀河の方があっけらかんとしていて、あくまで、ノリが軽いです。苦労も悲しみも笑い飛ばせてしまえるような。
これって、作者のスタンスの違いっていうか、考えてみると、12国の人物はそろいもそろって全員、根が真面目です。
一見、不真面目で、グータラに見える風漢でさえ、それからは逃れられない。


人物的には、その字のままに、行き当たりばったりで楽しければそれで良い(微妙に享楽的、刹那的と表すにはしっくりとこない)混沌が大好き。
どう考えても、陰の主人公だよ。