【紫苑】 著:花村萬月
       徳間文庫

修道院で殺人マシーンとして育てられた、紫苑は神イエスの名の下に、政府要人の殺しを行う。度重なる殺人の中で芽生える組織への疑念。自我の目覚。やがて彼女は神から乖離しはじめる。愛と暴力。孤独と狂気の渦巻く世界で、紫苑のたどり着く場所は。

【紫苑】を恋愛小説と捉えている時点で間違ってます。生と死と、ぎりぎりの線で傷つけあい、求めあう男女にドキドキ。ラストは深く語らないで下さい。人によって様々でしょうけど、私は、お気に入りな終末でした。

「お前は、私が死んだら泣くだろう。でも、自殺はしない」  
「お前は、生きる理由を詮索しないわ…私も、詮索するのは、やめる」 
「私の生きる理由は………」

「…私は、あの人の、犬になろう」

葬られしモノ その血によりて