【椿姫と花岡童子】

版権物のカップリング絵って、どれだけの人が見て楽しめるのか疑問に思うことがある。元ネタを知らない人にとっては、訳の分からないモノだろうし、元ネタを知っている人にとっては、これ又、自分の中にあるイメージとはそぐわないモノかも知れないしで。
結局、私が描きたいから描く、この一言につきるのだけれど、限りなく自慰行為だな〜と自己嫌悪に陥ったり、陥らなかったり。

椿はその散り際の潔さと言うか、あっけなさから武人には忌み嫌われる花。壬生屋の前世での俗名が椿とは、その‘贄’的な立場を表していて意味深。
もっとも、私はあまり、壬生屋にたいして、儚く、もろいイメージは抱いていません。むしろ、逆に往生際悪そうだよ。
鬼瀬戸は醜くてなんぼのもん。決して、かっこよくはならない。

ちなみに「椿」ですが、岡野版「陰陽師」の「白比丘」での椿の使われ方が、もう秀逸。(女の血で、赤く染まった椿が、雪の白さに溶けていく様子とか)
老いない、永遠に美しい女が終わりを願う姿が胸に浸みます。
夢枕版の、淡々と生きていく白比丘も、又、対照的だけど、良い。
原作夢枕だけど、作品に対する捉え方って人それぞれだな〜と思うのでした。