【嫉妬】

史上もっとも向こう見ずな美貌の騎士のなれの果て、嫉妬。若さと才気に溢れた傲慢な若者は、気まぐれな女神の怒りにふれその姿を、‘嫉妬’の名のごとく醜く惨めな姿へと変えられる。三千年の年月を経て哀しき騎士の魂は彷徨い続ける。
休息もなく、安らぎもなく、楽しみもなく、満たされることのない飢餓は他人を羨み、この世の終わりを願う。彼が本当に望んだのは、この世が終わることか、それとも、自身が消えてしまうことか。彼にとっては、この世の終わりも、自身が消えることも、等価でしかない。
哀しいはた迷惑な騎士の物語。

好きです。