【八妖伝】 著:バリー・ヒューガット 李高老師と其の元依頼人にて現在助手として働く十牛は、道教界最高指導者の賜朱笏神光東暁至崇至遠秘儀上天師の依頼をうけ大官が異形のものに殺される事件を調査する。 「あ、あの、老師、ものには時と場合っていう、その、、」 と、今回も相変わらず李高老師は傍若無人に駆けめぐり。 心優しき力持ちの十牛君は、李老師に振り回されているようで誰よりも事件の本質を体で掴んでいる。 「わしらの遠祖はこの地からひとつの民族と文化をそっくり根絶やしにし、めぼしいものは何であれ奪い取って作りかえた。神学者風に言えば、侵略と同時に天命あらたまり、古い神々は新しい神々にとってかわられて弊履のごとくうち捨てられ、中でも力のある危険な神々は同じ廟にまつられて位や役割や名誉でなだめられ、同化したわけだ」 恐ろしくも美しく、そして物悲しい。醜い怪神達の物語。 |