【霊玉伝】 著:バリー・ヒューガット
        早川文庫

鳥が中国全土の空を飛んでから数年後、あの李老子と十牛少年のコンビが再び。【鳥姫伝】に続く第二部は、不思議な石を巡る物語。
李老子の元依頼人にして、今は助手の十牛少年は李老子と共に北京の長屋暮らし。今日も飲んだくれる李老子の元に、一人の法師が怪事件解決の依頼にやってくる。
750年前、悪名高き暴君、笑君が支配していた哀谷で仲間の法師が惨殺されたというのだ。
犯人は、あの世から蘇った笑君?
夜な夜な、笑君は仲間の躁喜道士と共に陵墓から這いずりだし谷で踊り狂う。
彼らが現れた後は、緑溢れる丘の一部が抉られたように枯れ果てる。
事件を繋ぐのは、石。
石の伝説を巡り、李老子と十牛少年は地獄の底まで駆けめぐる。

作者の博識ぶりに、愕然。東洋人より東洋かぶれしている作者は正に李老子その人。相変わらずの、地下迷宮好きでアクションシーンもきちんと見せます。
ストーリーの面白さ、スケールの大きさ(ほら吹き具合)は前作【鳥姫】と張っているけど、ラストは少し切ない。