トップページ/日本語マニュアル/分かりやすい日本語マニュアル |
MAS838温度計付デジタルマルチメーター取扱説明書
※このマニュアルはMAS838に付属されている英文マニュアルを通常の日本語マニュアルに翻訳、追記したものです。
はじめに
このメーターは、DC/AC電圧、DC電流、抵抗、ダイオード、トランジスタ、温度の測定、及び導通検査が可能な、バッテリー駆動の携帯用3・1/2デジタルマルチメーターです。
安全の注意
このマルチメーターは、可電圧カテゴリー(CAT U)、およぴ汚染度2を持つ電子測定機器に対して定められた、IEC-1010基準に基づいてデザインされています。メーターを安全に、かつ良い状態でお使い頂くためにも、全ての安全上・操作上の注意に従⊃て下さい。また、必ず付属のテストリードのみをこ使用になり、必要に応じて、このマニュアルに記載されたタイプのもののみと交換して下さい。
安全マーク
△
安全に関する重要な注意を意味します。操作マニュアルをご参照下さい。
△
危険性のある電圧が存在します。
↓
アース
□ 二重絶縁(保護クラスU)
△
マニュアルにある規格と同じヒューズと交換して下さい。
メンテナンス
・ケースを開く際は、あらかじめ全てのテストリードを取り外しておいて下さい。
・火災の発生を防ぐため、ヒューズ交換には、必ず指定された規格のものをお使い下さい。F200mA/250V(即断ヒューズ)
・裏のカバーが定位置にあり、完全に閉まっていることを確認してからご使用下さい。
・掃除する場合は、溶剤や研磨剤を使わず、やわらかい布とマイルドな洗剤のみをご使用下さい。
使用中には
・各測定レンジの仕様に定められた保護限界値を超えないよう、ご注意下さい。
・メーターが測定回路に接続されている時は、使用されていない端子には手を触れないで下さい。
・カテゴリーUインストレーションのアースグラウンド600Vを超える電圧の測定はお止め下さい。
・測定する目盛値かあらかじめ分かっていない時は、レンジセレクタを最高値に設定しておいて下さい。
・ファンクションを替える際は、レンジセレクタを廻す前にテスト中の回路からテストリードを取り 外しておいて下さい。
・TVやスイッチング電源回路を測定する際は、テストポイントにメーターを破損し得る高いアンプ電圧パルスが存在する可能性がありますので、十分にご注意下さい。
・60VDC、及び30VAC rmsを超える電圧を扱う場合は、常に注意を払って下さい。測定中は、指をプローブバリアの後ろに置いて下さい。
・トランジスタを挿入してテストする揚合は、テストリードが全ての測定回路から取り外されていることを事前に確認して下さい。
・テストリードを使って電圧測定を行う際は、トランジスタをhFEソケットに接続しないで下さい。
・動作中の回路の抵抗測定は絶対にお止め下さい。
フロントパネル
@ディスプレイ 3・1/2桁(1999表示)、7セグメント、LCD高さ15mm Aロータリースイッチ ファンクションやこ希望のレンジの選択、及び電源のオン・オフに便われます。 B"VΩmA"ジャック 電圧、抵抗、及び電流(1OA以外)にはコネクタを赤(+)のテストリードに差し、温度測定には"K"タイプの熱電対の赤プラクを差し込んで下さい。 C"COM"ジャック コネクタを黒(−)のテストリードに差し込むか、温度測定には"K"タイプの熱電対の黒プラグを差し込んで下さい。 D"1OA"ジャック 1OAの測定の際には、コネクタを、赤のテストリードに差し込んで下さい。 EHOLD(ホールド)ボタン このボタンが押されると、ディスプレイは最後に行った読取りを表示し、再度ボタンが押されるまでLCDに"H"マークが表示されます。 |
|
仕様書
確度は目盛調整後1年間、18〜28℃(64〜82°F)で、相対湿度80%の時のものです。
一般仕様書
端子とアース間の最高電圧:CATU600V
ヒューズプロテクション :F200mA/250V
電源 :9Vバッテリー、O06Pまたは6F22
ティスプレイ :LCD,1999カウント、毎秒2-3回最新化
測定方法 :2重積分型A/Dコンバータ
オーバーレンジ表示 :ティスプレイに"1"のみを表示
極性表示 :マイナス時は"−"をティスプレイに表示
動作環境 :0〜40℃
保管温度 :-10℃〜50℃
低バッテリー表示 :B ディスプしイに表示
サイズ :138mmX69mmX31mm
重量 :約170g
アクセサリ
・操作マニュアル
・テストリード一式
・ギフトボックス
・9Vバッテリー(NEDA1604 6F22 006Pタイプ)
・"K"タイプ熱電対
・ホルスター
DC電圧
レンジ |
分解能 |
確度 |
200mV |
100μV |
読み取り値のO.5%±2デジット |
2V |
1mV |
読み取り値のO.5%±2デジット |
20V |
10mV |
読み取り値のO.5%±2デジット |
200V |
100mV |
読み取り値のO.5%±2デジット |
600V |
1V |
読み取り値のO.8%±2デジット |
過負荷保護:200mVレンジは250Vrms その他のレンジは、600V DC,ACrms
DC電流
レンジ |
分解能 |
確度 |
2mA |
1μA |
読み取り値の1%±2デジット |
20mA |
10μA |
読み取り値の1%±2デジット |
200mA |
100μA |
読み取り値の1.5%±2デジット |
10A |
10mA |
読み取り値の3%±2デジット |
過負荷保護:F200mA/250Vヒューズ(10Aレンジはヒューズ無し)
AC電圧
レンジ |
分解能 |
確度 |
200V |
100mV |
読み取り値の1.2%±10デジット |
600V |
1V |
読み取り値の1.2%±10デジット |
過負荷保護:全レンジに対して600VDC、ACrms
波数レンジ:40Hz〜400Hz
レスポンス:平均レスポンス、正弦波のrmsに目盛調整
ダイオード&導通検査
レンジ |
説明 |
A |
導通(約1.5kΩ以下)の時内臓ブザーが鳴ります |
@ |
ダイオードの大まかな順方向電圧を示します |
過負荷保護:250VDC、Acrms
トランジスタhFEテスト(0-1000)
レンジ |
テストレンジ |
テスト電流 |
テスト電圧 |
NPN&PNP |
0-1000 |
ib=10μA |
Vce=3V |
抵抗
レンジ |
分解能 |
確度 |
200Ω |
0.1Ω |
読み取り値のO.8%±3デジット |
2kΩ |
1Ω |
読み取り値のO.8%±2デジット |
20kΩ |
10Ω |
読み取り値のO.8%±2デジット |
200kΩ |
100Ω |
読み取り値のO.8%±2デジット |
2MΩ |
1kΩ |
読み取り値の1.0%±2デジット |
最大開路電圧:3.2V
過負荷保護:全レンジに対して250VDC、Acrms
温度
レンジ |
分解能 |
テストレンジ |
確度 |
℃ |
1℃ |
-20℃〜0℃ |
読み取り値の10%±2デジット |
操作の手引き
DC電圧測定
1."V・Ω・mA"ジャックに赤のテストリードを、"COM"ジャックに黒を接続して下さい。
2.ロータリースイッチをお好みのDCV位置にセットして下さい。あらかじめ測定する電圧が分かっていない時は、レンジスイッチを最高値にセットし、的確な分解能が得られるまで徐々に減らして下さい。
3.測定するソース、または負荷にテストリードを接続して下さい。
4.赤のリード接続の極性と共に、LCDディスプレイの電圧値を読み取って下さい。
DC電流測定
1."V・Ω.mA"ジャックに赤のテストリードを、"COM"ジャックに黒を接続して下さい。
(200mA〜1OAの測定の際は、赤のリードを"10A"ジャックに移動させて下さい。)
2.ロータリースイッチをお好みのDCA位置にセットして下さい。
3.測定する電流の回路を開き、回路と直列にテストリードを接続して下さい。
4.赤のリード接続の極性と共に、LCDディスプレイの電流値を読み取って下さい。
AC電圧測定
1."V.Ω.mA"ジャックに赤のテストリードを、"COM"ジャックに黒を接続して下さい。
2.ロータリースイッチをお好みのACV位置にセットして下さい。
3.測定するソースまたは負荷に、テストリードを接続して下さい。
4.LCDディスプレイの電圧値を読み取って下さい。
ダイオードテスト
1."V.Ω.mA"ジャックに赤のテストリードを、"COM"ジャックに黒を接続して下さい。
(赤リードの極性は"+"です)
2.ロータリースイッチを"@"の位置にセットして下さい。
3.テストするダイオードのアノードに赤のテストリードを、ダイオードのカソードに黒のテストリードを接続して下さい。ダイオードの大まかな順電圧電圧が表示されます。この接続を逆にすると、"1"のみが表示されます。
トランジスタテスト
1.ロータリースイッチを"hFE"位置にセットして下さい。
2.テストするトランジスタがNPNかPNPかを判断してエミッタ、べ一ス、そしてコレクタリードをセットして下さい。リードをフロントパネルのhFEソケットの正しい穴に差し込んで下さい。
3.ベース電流10μAとVce3Vのテストコンディションの時の大まかなhFE値を読み取って下さい。
△注意:感電を避ける為、トランジスタをテストする前に測定回路からテストリードを外しておいて下さい。
抵抗測定
1."V.Ω.mA"ジャックに赤のテストリードを、"COM"ジャックに黒を接続して下さい。
(赤リードの極性は"+"です。)
2.ロータリースイッチをお好みの"Ω"レンジ位置にセットして下さい。
3.テストリードを、測定する抵抗に接続し、LCDディスプレイを読み取って下さい。
4.測定する抵抗が回路に接続されている場合は、あらかじめ電源を切り、テストプローブを接続する前にコンデンサを放電しておいて下さい。
導通検査
1."V.Ω.mA"ジャックに赤のテストリードを、"COM"ジャックに黒を接続して下さい。
2.レンジスイッチをAの位置にセットして下さい。
3.テストリードを、テストする回路の2つのポイントに接続して下さい。導通が確認された揚合、内蔵のブザーが鳴ります。
温度測定
1.ロータリースイッチを℃位置にセットして下さい。LCDディスプレイに内部温度センサーの温度が表示されます。
2."K"タイプ熱電対の赤リードを"V.Ω.mA"ジャックに、"K"タイプ熱電対の黒リードを"COM"ジャックに接続して下さい。測定する媒体と熱電対プローブを接触させて下さい。
3.LCDディスプレイの温度値を読み取って下さい。
△注意:感電を避ける為、他の機能測定に移る前に熱電対を取り外して下さい。
バッテリー&ヒューズの交換
ディスプレイに B が現れたら、バッテリー交換が必要です。ヒューズの交換はごく稀で、大方はユーザーのエラーによってブローします。バッテリー&ヒューズ(200mA/250V)を交換するには、ケースの底の2つのネジを取り外し、新しいものを古いものと交換して下さい。その際、バッテリーの極性にご注意下さい。
△注意:ケースを開ける前に、テストリードを必ず測定回路から取り外しておいて下さい。感電を避ける為に、メーターをご使用になる際は必ずケースを閉じ、ネジが完全に締まっていることをご確認下さい。