第60番 石鉄山 横峰寺(よこみねじ) 福智院


所在地 〒799-1112 愛媛県西条市小松町石鎚甲2253
電 話 0897-59-0142  宿坊 なし  遍路用品 単品あり
開 基 役の行者  宗派 真言宗御室派
ご本尊 大日如来
ご真言 おん、あびらうんけん、ばざら、だどばん
ご詠歌 たて横に峰や山べに寺たてて、あまねく人を救うものかな


 白雉2年(651)に役の行者が星ヶ森で修行中、石鎚山山頂に蔵王権現が出現したので、その尊像を石楠花(しゃくなげ)の木に刻んで開創した。
 石鎚山に遥拝所の常住舎(今の成就社)を開き、役の行者再来といわれていた石仙(しゃくせん)が、その法力で桓武天皇の脳病加持をすると全快し、菩薩という称号を下腸された。
 桓武天皇の勅願寺になり、歴代の朝廷の尊信も厚く、また武将たちにも信仰された。

本堂遠景 本堂 本堂前の星供大師
右手に剣、左手に巻物

 大同6年に弘法大師が42歳の厄除けの星供の法を修して、大日如来を刻んで本尊とし、役の行者の像を大日如来の胎内に納めて、四国霊場60番札所と定めた。
 寺の本堂は両部神道時代に神も仏も有り難さは同じと説いた大師が、本堂内部に左大臣を祀り、建築様式は神社風の権現造りになっている。

聖天堂 大師堂 鐘楼

 明治の廃仏毀釈令で廃寺になった。明治4年から42年まで石鎚神社の西遥拝所、横峰社となっていたが、信者らの助力で42年に横峰寺として再興した。

仁王門 仁王

 本堂の縁の上には、福山の淵上孝江さんの奉納額がある。
 昭和43年に交通事故にあい、命はとりとめたものの左半身不随になり、首が右にずれ、頭が左肩につくほどで医者にも見放なされていた。
 44年に、おばの勧めで四国参りを決意し、同行者に支えられて横峰をめざした。
 お大師さま替りに卵大の石を懐に入れて一心に念じていた所、首がぶつっと音をたて、首が真っ直ぐになり、体が楽になり、左腕も曲がるようになった。
 感激の涙でお参りを済ませ、下山すると、懐の石は無くなり、5円硬貨が3枚出てきた。
 その後、仏門にはいられたという話です。

山門 地蔵 不動明王の
梵字バッチ

 標高1982mの西日本最高峰を誇る石鎚山の中腹の740mの位置にあり、登山専用のマイクロバスで上り、駐車場から急な下り坂を500m進むとたどり着く。
 気温が低い為、紫陽花(あじさい)が6月から10月まで咲く。
 石楠花(しゃくなげ)の寺としても有名で、ぜひ花の季節に訪れたい。