鑑定実話 10 家出の後、二度目の交通事故で即死

 K君は、30歳を少し過ぎた独身の男性で、私の友人の一人息子でした。
 彼女と親思いのK君は二人暮しのため、日頃から何でも話し合い協力しあっていたそうです。

 平成12年の7月中頃に突然電話があり、「息子が家を出たまま3日も帰らず、何の連絡もない。心配で夜も眠れない。お願いだから助けて」と言う事でした。
 
 鑑定の結果、月、日、時の星が火局方合(かきょくほうごう)して日干(にっかん=自分の星)を剋しており、また、年と日の干(かん)が日干と妬合(とごう)しており、たいへん不安定な状態でした。

 行き先は、南か南西もしくは北東におり、死んではいないので、足止めをしました。

 結果、その日のうちにK君は帰宅しました。南西の友人宅(?)にいたそうです。(私の勘では少し違うと思っています。)
 
 次に電話があったのは、おなじ7月の末で、今度は神戸に遊びに行って交通事故に遭い、入院したという電話でした。
 命には別状はないものの、たいへん心配な状態なので、これからどうなるか鑑定して欲しいという事でした。

 特殊な鑑定法を使い鑑定した結果、全ての星が暗剣殺、五黄殺にかかっており、このままだと命が危ない事を知らせました。

 気学だけで観ると、K君の場合平成11年と12年が悪く、平成13年は後厄がかかりますが、注意程度となっています。
 
 しかし、四柱推命で観ると60年に一度やってくる恐ろしい天戦地冲(てんせんちちゅう)の年となっており、体力、気力のない時は命にかかわる場合もよくあります。
 空亡(くうぼう)、天中殺(てんちゅうさつ)、大殺界(だいさっかい)などは12年間に2年か3年ですから、凶の度合いが違います。

 このようなケースの場合、引越しなど気学的な回避方法等を試みる時間的な余裕が全くありません。
 極端に悪い時の回避の一つの方法として、神仏の加護にすがることがあげられます。
 
 K君を救えるのは、K君の亡くなった父親とその先祖の力がたいへん大きいのです。

 すぐ、亡くなった父親の墓参りをするように勧めたのですが、両親が憎しみあって離婚し、離婚の2〜3年後に父親が死亡し、戒名はおろかお墓の場所すらも知らないというのです。

 それ以上は、立ち入った事になるので、もう何も言えず、行方を見守るしかありませんでした。

 ところが、心配したとおり平成13年の11月の初めに交通事故で亡くなったと他の人から知らされました。

 亡くなった日は本来の亡くなる日の一日前でしたが、まだまだ若いのに残念でなりません。

 離婚は決して悪いことではありません。人が人として人生をやり直すチャンスでもあります。

 問題は、子供がいる場合、父親とその先祖との関わりをどのように保つかにかかります。
 子供は、父親と母親の両方がいなければ産まれない現実の意味を、もっと深く考えて欲しい出来事でした。

   参考文献 「家系の科学」 著者 与那嶺正勝 発行所 徳間書店