『34丁目の奇跡』 (Miracle on 34th Street)

<夢を忘れた大人たちへ、夢を知らない子供たちへ、小さな冬の奇跡のプレゼント>
(1994年/アメリカ作品  出演:リチャード・アッテンボロー、エリザベス・パーキンス、ディラン・マクダーモット 他)

サンタクロースの存在っていくつになるまで信じてましたか?
小さい頃から一度も信じたことはない、って人はいないですよね。
私の場合サンタを信じていたのはいつ頃までだったのかはっきり覚えてないけど、
その時が確かにあったという記憶は残ってます。
私のところに来るサンタのプレゼントで多かったのは手編みの手袋とか毛糸のパンツとか…笑。
小さい頃すごい”しもやけ”になってたので私用に特別な手袋(当時はまだ珍しかった指先のない手袋)が置いてありましたっけ。
手袋とかパンツと同じ色の毛糸が家の中にあったと思うし、母が編んでるのも見てたと思うのに…。
あれはサンタじゃないと思っていても、純粋な心がサンタという存在を信じたいと思っていたのかもしれない。
今はTV、雑誌、あらゆるものから情報が入ってくる時代になり、目に見えるものしか信じることができなくなりつつ今、
何が本当に大切なものなのか時には考えてみるのもいいのかもしれませんね。

この作品は一人の老人が巻き起こす騒動を通じてサンタクロースの存在、
夢を信じられた方がどれだけ楽しくて素晴らしいかを謳いあげたハートフルなドラマです。

経営不振の老舗デパート・コールズが、クリスマス時期に毎年恒例としてサービスしているのがサンタクロースのパレード。
今年もパレードの時がやってきたと言うのに、いつものサンタ役が酒を飲んで泥酔したまま仕事をしようとしている。
そこに登場したのがクリス・クリングルと名乗るサンタクロースそっくりの風貌をしたおじいちゃん。
イベント部長のドリーは泥酔サンタを首にしてクリングル氏を急遽代役に立てた。
このクリングル氏、博愛的で優しくてどこからどう見てもサンタソックリと客の間で人気沸騰。
デパートの業績も回復に向かっていたが、それを見て面白くないのがコールズの買収を目論んでいた競争相手のデパート・ショッパーズエキスプレス。
早速人気者のクリングル氏を失墜させようとライバルデパートによる陰謀が密かに企てられる。
一方、イベント部長としてバリバリのキャリアウーマンのドリーは現在は独身で、一人娘のスーザンと暮らしている。
6歳のスーザンは小さい頃から母親に「サンタはいないのよ」と教えられ、今日までそれを信じてきた。
ドリー母娘の隣人である弁護士のブライアンはスーザンにサンタを信じさせたいと願いつついつも2人を見守っている優しい男性。
彼が後に母娘だけでなくクリングル氏にとっても大きな存在となって活躍する。
さて、ショッパーズデパートによるクリングル氏失墜作戦がある夜決行される。
その結果、クリングル氏は暴行罪で逮捕され、挙句の果ては精神異常者として病院に入れられてしまう。
サンタの誇りを傷つけてしまったと自ら嘆くクリングル氏は生きることにも失望。
それを救おうと立ち上がったのが弁護士のブライアン、そしてサンタの存在を信じるニューヨーク市民たち。
クリングル氏は本物のサンタなのか、それとも単に自分をサンタと思い込むだけの老人なのか、
前代未聞の裁判が開かれる・・・・。

この映画のステキなところは夢を忘れかけた大人に語りかけるサンタの一つ一つの言葉。
「私はみんなに夢を与えるシンボルです。人の心には欲望や憎しみが渦巻いている。
それに負けないという希望を与えたい、事実以外は受け入れられないとすれば人生は疑いだらけの侘しいものになってしまう」
スーザンは仕事で忙しい母親の元で育ったせいか、妙に大人びててこまっしゃくれてる子供。

サンタは信じない、おとぎ話も信じない。 でもクリングルに会って以来、今日までの信念が崩れていきそうになるのが自分でもわかるからどうしていいのかとまどう姿が可愛くて微笑ましいの。
コールズデパートでは子供たちをヒザに乗せて優しく話をしながらさりげなく欲しいものを聞くサンタ姿のクリングル。
ある日、ヒザに乗せた少女が耳が聞こえなくてサンタと話ができず悲しい顔をしていると、
サンタが手話で語りかけたとたん少女の顔がパッと明るく輝き始める。
それを陰から見ていたスーザン。とてもじゃないけど、普通のおじいちゃんにはできないワザだわと思ってしまう。
クリングルに向かって悲しそうな顔でおずおずと差し出すクリスマスプレゼントのカタログの切り抜き。
後に、サンタの存在を信じることのできたスーザンが晴れ晴れとした表情を見せてくれるのも素敵です。
一方、ドリーはブライアンの愛を受け入れたいけど、過去の恋愛の傷がネックになってどうしても先に踏み込めない。
ブライアンの愛はスーザンもくるめて受け入れ態勢万全なのに。。。
弁護士でハンサムとくれば・・・私なら即OK(そんな単純なものでもないか・笑)
そんな2人のラブストーリーも描いててちょっぴり大人のムードも漂わせてくれます♪
本当は心の奥底でサンタもおとぎ話も信じたいって思う娘の姿はそのまま母親の姿を映してるのかもね。
そして、この映画の最大の見所は後半の裁判(公聴会)のシーン。
幾度も審議と休廷を繰り返し、最終的に判事が「サンタなんて現実には有り得ない」と審判を下そうとした時、スーザンがつかつかと判事の元に行き一枚のクリスマスカードを差し出す。
カードの中を見た判事の目に驚きと輝きが…そして、一瞬にして裁定は下るのです。
これを見た時「これぞ、アメリカだわ〜!」って思わずうなっちゃいました。
日本だと考えられない、というか絶対できないことですね(他の国はどうなんだろう?)
このシーンは好きだなぁ。
そうそう、スーザンがサンタにお願いしたクリスマスプレゼントはどうなったかって?
それは見てのお楽しみ!(私もこんなプレゼントが欲しい♪)
時には奇跡を、サンタを信じて夢物語に浸ってみませんか?
大人も子供もみんな楽しめる作品です。

あなたの元にも奇跡が訪れますように☆