結納とは
男性側、女性側双方が結婚を承諾しますということで、昔は「云納(いい入れ)」と称し婚姻を申し込むという意味が、今は「結納」と変わりました。
成人に達するまで育てられた先方のご両親に対しての感謝の気持ちを現すものであり、また二人が「婚約者以外の方とは結婚しない」という誓いの大切な儀式でもあります


結納飾り

基本は5品で熨斗(のし)・寿恵広(すえひろ)・小袖料(こそでりょう)・家内喜多留(やなぎたる)・松魚(しょうぎょ)です。
これに優美和(ゆびわ)・共白髪(ともしらが)又は高砂(たかさご)の2品を足して7品にします。
更に子生婦(こんぶ)・寿留女(するめ)を足せば9品になります。
中国地方では5品か7品が一般的によく使われています。

[5品]

熨斗(のし) のし鮑(あわび)のことで鮑を長く引き伸ばしたものです。延命・不老長寿の薬といわれ昔から祝儀のときには必ず添えられています。
寿恵広(すえひろ) 末広がりに慶び事が広がるという意味で白扇一対(2本)を用います。
小袖料(こそでりょう) 結納金のことです。昔は着物を贈っていたので小袖といわれています。
家内喜多留(やなぎたる) 家の中に喜びごとが集まっていつまでもとどまっているようにという願いの意味があります。柳樽一荷(やなぎたるいっか)と称し必ず角樽2個用います。お酒の代わりにお金でもかまいません。
松魚(しょうぎょ) かつおのことで鰹節・勝男武士とも呼ばれて、勝魚として喜ばれています。昔は鯛を用いていましたが最近ではお金が一般的です。

[7品]

優美和(ゆびわ) 婚約指輪を贈る方が増えたので戦後定着したものです。
共白髪(ともしらが) 共に白髪になるまで末永く幸せでありますようにという意味があります。
高砂(たかさご) お人形(おじいさんとおばあさん)のことです。共白髪と同じ意味で用います。

[松・竹・梅・鶴・亀]

松の長寿と緑のようにいつまでも変わらずに栄えることを願ったものです。
真っ直ぐに質実剛健な竹の成長を例えたもので節度・潔白を意味します。
春に先がけて最も早く花が咲き実を結ぶ梅の美しさと忍耐を現します。
千年の寿命を祝うとともに一羽が死んでも他の鶴とは決して一緒にならない鶴の節操を夫婦になぞらえたものです。
寿命万年、共に急がず休まず、末永く幸せを築きますようにという意味です。


広蓋・ふくさ

黒塗りのお盆のことを広蓋(ひろぶた)と言いその上に掛けるものをふくさと言います。
写真のように中に茂久録を入れて上にふくさを掛けて納めるのが丁寧な作法といえます。
ふくさには家紋を入れられることをお勧めします。


土産のし(結納返し)

土産のしのお飾りは結納の時に頂いたものより少し控えめな品(5品)を用意します。
土産のしは結婚式の一ヶ月前から一週間前までにするといいでしょう。荷物贈りをされる時に一緒にするのが多いようです。
小袖料に対し袴料となり結納金の一割ぐらい、家内喜多留(お酒料)と松魚(お魚料)は同額ていど包んで贈ります。
よく「半返し」と言われますが、これは東京だけの習慣で多くは結納金の一割ぐらいとされています。
土産のしは本人(男性)へのお土産をするものなのでお金又は品物(洋服・時計等)のどちらでも構いません。


おため(おうつり)

お祝いを頂いたお返しにさしあげるものです。
ご縁が移って末広がりに永く続くようにとの意味があります。懐紙や赤白の袋等いろいろあります。

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